『今、私たちの学校は…』は10日で3億6,102万時間だった——層の厚さでは説明できない1本

『今、私たちの学校は…』のシーズン1は、配信からわずか10日間で3億6,102万時間見られました。TOP10に入った国は91。非英語TVシリーズの歴代TOP10にも、『イカゲーム』に次ぐ韓国作品として入っています。

そのシーズン2は、2026年2月20日に撮影が終わっています。 それなのに、この記事を書いている時点で配信日は発表されていません。

ここ数本、韓国ドラマの強さは「層の厚さ」だと書いてきました。今回はその上に乗っている数字を見ます。桁が違います。

91か国
『今、私たちの学校は…』シーズン1がNetflixのTOP10に入った国の数

10日で3億6,102万時間が、どれくらいか

数字だけ見てもピンと来ないので、このブログで扱ってきた数字の隣に置きます。

作品 視聴時間 期間
今、私たちの学校は… S1 3億6,102万時間 配信から10日
刃牙道 S1(日本語作品の上半期1位) 8,480万時間 2026年上半期
地獄に堕ちるわよ S1 7,910万時間 2026年上半期

10日間の数字が、半年間の数字の4倍を超えています。

もう1つ、別の測り方をしてみます。3億6,102万時間を24で割って、365で割る。つまり1人がぶっ通しで見続けたら何年かかるかに直します。

約4万1,000年です。

人類が洞窟に壁画を描いていたころから見始めて、ようやく今週見終わる計算になります。それが10日間で消化されました。

ただし正直に書くと、これは厳密な比較ではありません。時期が違います。 シーズン1の10日間はもっと前の話で、下の2本は2026年上半期です。集計の窓もそろっていません。

それでも、規模の桁は伝わると思います。上半期レポートで韓国語シリーズ605本の合計は80億790万時間でした。この1本が10日で稼いだぶんは、その4.5%にあたります。 605本ぶんの半年に対して、1本の10日で4.5%です。

層の厚さの上に、桁の違う1本が乗っている

91か国とは、どれくらいか

時間の話が続いたので、もう1つの数字のほうも足元を固めておきます。91か国です。

国連の加盟国は193か国です。単純に割ると47%。世界の国の半分近くで、その週のよく見られた10本に入ったことになります。

このブログで扱ってきた作品を、同じ物差しで並べます。

今、私たちの学校は…91の国・地域でTOP10入り
エージェント・キム72の国・地域でTOP10入り
ガス人間6の国・地域でTOP10入り

『エージェント・キム』は2026年7月に22か国で1位、72か国でTOP10に入りました。世界1位を取った作品です。それでも91には届いていません。『ガス人間』は日本で1位を取りましたが、TOP10に入ったのは6つの国と地域でした。

同じ「当たった」でも、届いている範囲は10倍以上ちがいます。 ここが、順位だけを見ていると見落とすところです。1位という言葉は、どこで1位かを教えてくれません。

順位は「どこで」を教えてくれない。国の数を見ると、当たりの大きさが分かる

「層の厚さ」だけでは説明できないもの

前に、韓国作品は5年で210本がグローバルTOP10に入り、ほぼ毎週1本のペースで新作が入り続けていると書きました。強さの正体は「当てる力」ではなく「出し続ける体制」だ、と。

その結論は変えません。ただ、それだけでは足りないことも同時に書いておきます。

91か国でTOP10、10日で3億時間台。この規模は、毎週0.8本のペースからは出てきません。別の何かが起きています。『イカゲーム』もそうでした。

層の厚さは、打席に立ち続けることの説明です。突き抜けた1本が出ることの説明ではありません。この2つは別の話です。

それでも、続編には4年以上かかっている

ここが今回いちばん引っかかる点です。

状況
シーズン1 10日で3億6,102万時間・91か国でTOP10
シーズン2の撮影 2026年2月20日に終了
シーズン2の配信日 未発表

撮影が終わって半年以上たっても、配信日が出ていません。

前に『エージェント・キム』の記事で、世界1位でも4週で視聴数が45%落ちると書きました。配信作品の熱は速く冷めます。そこに4年以上の間隔を空けるのは、普通に考えれば不利です。

ただし、これも前に書いたことと繋がります。『イカゲーム』はいまだにシーズン1がいちばん見られていて、完結編を上回っています。『愛の不時着』は6年8か月たっても年間7,530万時間です。

韓国ドラマの旧作は、待っていられる。 148本の旧作が韓国語シリーズの視聴時間の22.6%を稼いでいる、という数字がそれを裏づけています。冷めるのは順位の熱であって、作品そのものではありません。

この「冷めるのは順位の熱だけ」という言い方を、もう少し具体にします。3つの作品の、時間が経ったあとの姿です。

作品 経過 いまの状態
エージェント・キム 4週間 視聴数が45%減(順位は1位→3位)
イカゲーム 完結編の配信後 シーズン1のほうが見られている
愛の不時着 6年8か月 年間7,530万時間

上から下へ、時間の単位が週→年に変わっているのに、下ほど数字が粘っています。短期の順位は落ちるが、長期の視聴は落ちない。 この2つは別々に動いています。

配信サービスの側から見ると、これはかなり都合のいい性質です。宣伝費をかけるのは公開の瞬間だけでよく、そのあとは棚に置いておくだけで見られ続ける。韓国ドラマが「強い」と言われるとき、この粘りの部分が効いています。

シーズン2は、舞台が高校からソウル全域に広がると伝えられています。パク・ジフ、ユン・チャンヨン、チョ・イヒョン、ロモンが続投します。高校の校舎という閉じた場所で成立していた話を、街ごとに広げるという設計です。ここも、当たった形をそのまま繰り返さない選択になっています。

「4年待たせて大丈夫なのか」への答え

ここで反論を1つ立てます。「旧作が粘るからといって、続編を4年待たせていい理由にはならないのでは?」

そのとおりだと思います。上の表が言っているのは「シーズン1が忘れられない」ことであって、「シーズン2が同じだけ当たる」ことではありません。この2つは分けて考える必要があります。

そのうえで、確かめ方を書いておきます。

見るべきこと どう出るか
シーズン2の配信日が出るか 公式発表。撮影終了から半年以上たっている
配信後、TOP10に入る国の数 91に届くか、届かないか。ここが本番
シーズン1が同じ週に再浮上するか 続編は旧作の宣伝にもなる(『京城クリーチャー』で実際に起きた)

とくに2つめです。91か国という数字が、4年後にどれだけ残っているか。 ここまで大きく当たった作品の続編が、間を空けたあとどうなるかの実例は多くありません。だからこの1本は、それ自体が答えになります。

あなたは、シーズン2は91か国に届くと思いますか。私は届かないと思っています。届かないほうが普通で、届いたらそれは韓国ドラマの旧作の粘りが、続編にまで効くことの証明になります。

まとめ

  • シーズン1は10日で3億6,102万時間、91か国でTOP10。韓国語シリーズ半年分の合計の4.5%を、1本が10日で稼いだ規模
  • 「層の厚さ」は打席に立ち続けることの説明であって、突き抜けた1本が出ることの説明ではない
  • シーズン2は2026年2月20日に撮影終了、配信日は未発表
  • 91か国は国連加盟193か国の47%。『エージェント・キム』の72か国、『ガス人間』の6か国と比べると、当たりの大きさが桁でちがう
  • 4年以上の間隔は普通なら不利。ただし韓国ドラマの旧作は待っていられることが、数字で分かっている
  • 短期の順位と長期の視聴は別々に動く。落ちるのは順位の熱であって、作品そのものではない
  • 次に見るのはシーズン2がTOP10に入る国の数。91にどれだけ近いかで、粘りが続編まで効くかが分かる

数字の出典

  • シーズン1の10日間3億6,102万時間・91か国TOP10・歴代TOP10入り、シーズン2の撮影終了日・キャスト・舞台の拡大 — Netflix公式 ほか報道
  • 『エージェント・キム』の22か国1位・72か国TOP10(2026年7月6〜12日の週)、『ガス人間』の6つの国と地域 — Netflix「What We Watched」2026年上半期レポートの集計と各週のランキング報道(当ブログの過去記事で集計)
  • 刃牙道・地獄に堕ちるわよの視聴時間、韓国語シリーズ605本の合計80億790万時間、旧作148本の22.6% — Netflix上半期エンゲージメントレポート(当ブログの過去記事で集計)

4.5%は、3億6,102万時間を80億790万時間で割ってこちらで計算した数字です。この2つは集計の時期が違うため、厳密な比較ではありません。規模の目安として置いています。


コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です