『鉄槌教師』はNetflixの世界3位だった——公式データ8,195本を1本ずつ数え直した

Netflixが半年に一度出している視聴データの一覧表を、全部ダウンロードして数え直しました。

結論から書きます。キム・ムヨル主演の韓国ドラマ『鉄槌教師』は、2026年上半期にNetflixで最も見られたシリーズの世界3位でした。

「韓国ドラマの中で3位」ではありません。英語作品も含めた、全部の中で3位です。

そもそも、この表は何か

Netflixは年2回、「What We Watched(見られた作品)」というレポートを公開しています。ニュース記事の要約ではなく、Netflix自身が出している一次資料です。

2026年上半期ぶんの中身はこうなっていました。

項目 数
集計期間 2026年1月〜6月
シリーズ 8,195本
映画 9,179本
合計視聴時間 976億時間

Netflixは公式発表で「半期として過去最高」と書いています。私が表の数字を全部足したところ、シリーズ743.5億時間+映画233.1億時間=976.6億時間になりました。発表文の「970億時間超」と一致します。

数え方が合っていることを確認できたので、そのまま先へ進みます。

上半期のシリーズ 上位10本

順位 作品 視聴時間
1 ブリジャートン家 シーズン4 8億8,980万時間
2 ストレンジャー・シングス5 5億7,840万時間
3 鉄槌教師(韓国) 5億1,470万時間
4 彼の真実、彼女の嘘 4億5,430万時間
5 ONE PIECE シーズン2 3億8,350万時間
6 恋の通訳、できますか?(韓国) 3億7,770万時間
7 逐玉(中国) 3億5,670万時間
8 I Will Find You 3億5,050万時間
9 ランナウェイ 3億1,530万時間
10 ナイト・エージェント シーズン3 3億1,450万時間

一点だけ、数え方の断りを入れておきます。

この表には「Other Shows」という行があり、視聴数5万未満の作品をまとめた合計(7億5,700万時間)が入っています。作品名の付いた1本ではないので、上の順位からは外しました。この行を1本として数えると、『鉄槌教師』は4位になります。

『鉄槌教師』5億1,470万時間は、ストレンジャー・シングス5の89%にあたる

『鉄槌教師』とは何だったのか

2026年6月5日配信開始。キム・ムヨル主演。いじめ被害者を守るために作られた架空の政府機関「教育権保護局」の話です(映画ナタリー)。

注目すべきは配信された日付です。6月5日は上半期の終わりまで26日しかありません。

作品 配信開始 集計に入った日数 視聴時間
ブリジャートン家 S4 1月29日 約153日 8億8,980万時間
ストレンジャー・シングス5 2025年11月26日 181日(全期間) 5億7,840万時間
鉄槌教師 6月5日 約26日 5億1,470万時間

26日で5億時間です。 1位と2位は半年近く積み上げた数字で、『鉄槌教師』は1か月弱で並んでいる。同じ土俵で比べれば、勢いという意味では上半期で最も強い作品でした。

せっかくなので、1日あたりに割ってみます。

作品 視聴時間 集計日数 1日あたり
ブリジャートン家 S4 8億8,980万時間 約153日 約582万時間
ストレンジャー・シングス5 5億7,840万時間 181日 約320万時間
鉄槌教師 5億1,470万時間 約26日 約1,980万時間
鉄槌教師1980万時間
ブリジャートン家S4582万時間
ストレンジャー・シングス5320万時間

1日あたり

1日あたりでは、1位の3.4倍です。

ただし、この比べ方はフェアではありません。配信直後がいちばん見られるので、26日しか経っていない作品の1日あたりが大きく出るのは当たり前です。半年ぶんを均した数字と、公開直後の数字を並べているだけとも言えます。

それでも置いておくのは、「3位」という順位が、この作品の勢いをむしろ小さく見せているからです。順位表は集計期間で決まるので、期間の端に配信された作品は必ず損をします。

順位は集計期間で決まる。期間の端に出た作品は、実力より低く出る

配信後、グローバルの非英語シリーズ部門で3週連続1位。19か国で首位、85か国でTOP10入りしています。

韓国ドラマは上位100本に18本

上位10本だけを見ると「韓国が2本入っている」で終わります。範囲を広げると構造が見えてきます。

作品タイトルに原題(ハングル・漢字・かななど)が併記されている作品を、文字の種類で分けて数えました。

韓国語18本
ラテン文字の非英語=スペイン語など10本
中国語1本
日本語0本

上位100本のうち

上位100本のうち、韓国語のシリーズは18本。日本語の作品は1本もありません。

日本語作品が最初に出てくるのは107位です。この話は次の記事で詳しく書きます。

なぜ数え直したか

Netflixの週間ランキングは、順位だけで視聴時間が出ません。「1位でした」と言われても、2位とどれだけ差があるのかが分からない。

半年に一度のこのレポートだけは、全作品の実数が出ます。だから数える価値があります。

そして数えてみると、週間ランキングでは見えなかったことが出てきます。『鉄槌教師』が「韓国ドラマとしてすごい」のではなく、Netflix全体の中で3番目に見られた作品だった、という事実です。

逆に、このレポートで見えないことも書いておきます。

分かること 分からないこと
作品名・配信日・視聴時間・総尺・視聴数・全地域配信か 製作国・ジャンル・脚本家・制作費
半年の合計 週ごとの動き・国ごとの内訳
視聴数5万以上の作品 それ未満(「Other Shows」に合算・7億5,700万時間)

載っているのは6項目だけです。だから当ブログが「韓国語作品」という数え方をしているのも、製作国が分からずタイトルの文字種でしか判定できないからです。一次資料は強いですが、万能ではありません。

あなたが知りたい数字は、この6項目で出せますか。出せないなら、それはこのレポートでは答えの出ない問いです。 そこを分けておくと、数字に振り回されずに済みます。

まとめ

  • Netflix公式の上半期レポートは、シリーズ8,195本・映画9,179本・合計976億時間を収録している
  • 『鉄槌教師』は5億1,470万時間で世界3位。韓国ドラマとして史上最上位クラスの数字
  • しかも配信は6月5日。26日間だけでこの数字を出している
  • 上位100本のうち韓国語作品は18本。日本語作品は0本
  • 週間ランキングでは順位しか出ないが、このレポートだけは実数が出る
  • 1日あたりに割ると1位の3.4倍。ただし配信直後は大きく出るので、公平な比較ではない
  • レポートに載っているのは6項目だけ。製作国・ジャンル・脚本家・制作費は分からない

次は、この表で日本の作品がどこにいたのかを書きます。107位という数字の意味を、本数と並べて見ていきます。


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