『Lupin/ルパン パート4』は、3年ぶりの新作で世界1位になりました。Netflixの公式発表では、10月19日〜25日の非英語シリーズの週間ランキングで1位、再生数は640万回です。ただし、3年前のパート3が出たときと同じ物差しで並べると、初動の数字はパート3より少なくなっています。
「人気シリーズは、待たせるほど盛り上がる」。続編が出るたびに聞く言い方ですが、本当でしょうか。この記事では、パート3とパート4の最初の週の公式の数字を並べて、3年の空白が何を残したのかを確かめます。
この記事で分かるのは、①パート4の初動はパート3と比べてどのくらいか、②昔のシーズンがどれだけ見返されたか、③2週目のどこを見れば答えが出るか、の3つです。本編の内容と結末には触れません。
3年ぶりでも世界1位は事実。ただし1日あたりの再生数はパート3の約7割で、「待たせるほど盛り上がる」とまでは言えません。
1.パート4は3日間で640万回、非英語シリーズの1位
まず公式の数字です。Netflix公式Tudumの週間TOP10記事によると、パート4は10月19日〜25日の週の非英語シリーズで1位、再生数は640万回でした。同じ週には、5年前に配信されたパート1も10位(210万回)に戻っています。
ここでいう再生数(views)は、見られた合計時間を作品の長さで割ったものです。最後まで見た人数そのものではありません。What’s on Netflixの集計では、パート4の視聴時間は3,810万時間でした。
気をつけたいのは、パート4の配信開始が10月23日(金)だった点です。集計の週は日曜日で締まるので、この640万回は金・土・日の3日分しか入っていません。7日分の作品と並べると、不利に見えて当然です。
同じ週の非英語シリーズは混んでいました。2位は韓国の『ドクターX ~白衣のマフィア~』で580万回。非英語シリーズ10本の合計再生数は3,660万回で、2023年6月以降の175週のうち25番目に多い週でした(What’s on Netflixの集計)。その中で先頭に立ったのは、素直に強い結果です。
2.パート3の最初の週は4日間で1,160万回だった
では、3年前はどうだったのか。パート3は2023年10月5日(木)に配信されました。最初の集計週(10月2日〜8日)に入ったのは木・金・土・日の4日分です。
What’s on Netflixのシリーズ別データでは、その4日間でパート3は6,390万時間、1,160万回。非英語シリーズの1位でした。数字の大きさは、パート4のおよそ倍です。
| パート3(2023年) | パート4(2026年) | |
|---|---|---|
| 配信開始 | 10月5日(木) | 10月23日(金) |
| 最初の週に入った日数 | 4日 | 3日 |
| 話数 | 7話 | 8話 |
| 視聴時間 | 6,390万時間 | 3,810万時間 |
| 再生数 | 1,160万回 | 640万回 |
| 非英語シリーズの順位 | 1位 | 1位 |
出典:Netflix公式の週間TOP10、およびWhat’s on Netflixの公式データ集計。再生数は視聴時間を作品の長さで割った値で、両パートとも長さは約6時間です。
日数の差をならすため、1日あたりに直してみます。パート3は1,160万回÷4日で約290万回、パート4は640万回÷3日で約213万回。パート4は、パート3の約73%です。
万回/1日あたり
この割り算は、私が公式の数字から出した目安です。配信初日は夜からしか見られない、週末は見る人が多い、といった曜日の偏りまではならせていません。それでも「3日だから少なく見えるだけ」とは言い切れない差が残ります。
3.昔のシーズンの見返しも、3年前より小さい
続編が出ると、前のシーズンを見返す人が増えます。ここにも差が出ました。
2023年のパート3の最初の週には、パート1が非英語シリーズの2位(1,390万時間)、パート2が4位(1,020万時間)に入っていました(Next TVの2023年10月の記事)。シリーズの3作が、同時に上位10本に並んでいたわけです。
2026年は、ランキングに戻ってきたのはパート1だけで、10位・840万時間。パート2とパート3は上位10本に入っていません。
ここから先は私の見立てです。見返しが小さいのは、悪い知らせとは限りません。パート1〜3を見た人の多くが、すでに見終えていて、見返さずにパート4へ直行した可能性があります。一方で、3年のあいだに「途中まで見たけれど止まった」人を呼び戻す力は、2023年ほど強くなかったとも読めます。どちらが大きいかは、この数字だけでは決められません。
4.「待たせるほど盛り上がる」は、今回は当てはまらない
ここまでの数字をまとめると、こうなります。
- 3年ぶりでも、非英語シリーズの1位は取れた
- ただし、1日あたりの再生数はパート3の約73%
- 昔のシーズンの見返しも、2023年より小さい
ここから先は私の見立てです。通説の「待たせるほど盛り上がる」は、少なくとも最初の週を見る限り、今回は当てはまりません。待たされた分だけ熱が上がったというより、「固い固定ファンがいるので、3年空いても1位までは取れる」と言うほうが数字に合っています。
3年という間隔は、シリーズの中でもいちばん長い空白でした。パート1と2は2021年に半年おきに出て、パート3はその2年後。パート4はさらに3年後です。間が空くほど、新しく見始める人にとっては「まず前のシーズンを見ないと」という入口の重さが増えます。見返しが小さかったのは、その重さの表れかもしれません。
3年空いても1位を取れたのは、固定ファンの厚さの証拠。一方で、新しく見始める人を呼び込む力は2023年ほどではない、というのが今回の数字の読み方です。
5.答えが出るのは2週目。パート3は2週目に伸びた
ただ、最初の週だけで結論を出すのは早すぎます。パート3は、2週目(2023年10月9日〜15日)に7,790万時間・1,410万回へ伸びました。初週の1,160万回より多い数字です。最初の週は日数が少なく、口コミで見る人が増えるのは2週目からだったからです。
1週目 1160万回 / 2週目 1410万回 / 3週目 770万回
パート3は結局、上位10本に7週入り、合計4,490万回まで積み上げました(What’s on Netflixの集計)。パート4の本当の評価は、この「2週目にどれだけ伸びるか」で決まります。
見るポイントは2つです。
- 10月26日〜11月1日の週の再生数が、パート3の2週目(1,410万回)にどこまで近づくか
- パート2・パート3が、上位10本に戻ってくるか
ここから先は私の見立てです。2週目は丸7日分が入るので、数字が初週を上回るのはほぼ確実です。大事なのは伸び幅で、1,000万回を超えれば「3年の空白はほとんど響かなかった」、700万回前後にとどまれば「固定ファンで1位は取ったが、広がりは前作より小さい」と読むのが妥当だと考えています。次の週の公式の数字は、例年どおりなら米国時間の火曜日に出ます。
6.日本で見る人へ。パート4から入るなら
最後に、これから見る方へ。パート4の舞台は、パート3の4年後です。アサンが刑務所から出る直前、各地の美術館で「ルパン」を名乗る同時多発の盗みが起き、アサンが疑われるところから始まります(Netflixの紹介より)。
パート1〜3は、公式の再生数の計算に使われている長さで合わせると約14時間です。全部を見返す時間がない方は、最低でもパート3の最終話だけ見直しておくと、パート4の出だしで迷いにくくなると私は考えています。今回、世界で見返されたのがパート1だけだったのも、まず物語の起点を確かめたい人がいたからかもしれません。
みなさんは、3年待った続編を、前のシーズンを見返してから見るほうですか。それとも、いきなり新作から入るほうですか。2週目の数字が出たら、この記事の続きを書きます。
Lupin/ルパン Netflix公式作品ページ(公式ページ)
※数字の確認日:2026年11月1日。対象はNetflix公式の世界・非英語シリーズ週間TOP10(2026年10月19〜25日、2023年10月2〜8日・9〜15日・16〜22日)。1日あたりの数字は、公式の再生数を最初の週に入った日数で割った筆者の計算です。場面写真は保存・転載していません。
総帥(そうすい)のHP 